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生きがいを持つメリット

高齢期を前向きに捉える

一般的に、高齢期の自分を思い浮かべると、「体力の低下や健康面の不安」、「定年退職による社会的地位の喪失」、「家族や友人との別れ」などマイナスのイメージを持つ人も少なくありません。しかし、これらは高齢期のネガティブな一面だけを見ているだけに過ぎず、ポジティブな変化も多いということに着目することが大切です。若い頃は、仕事や子育てなどに追われ、自分のやりたい事がなかなかできない状況があったかもしれませんが、定年や子供の独立を区切りに、自由な時間も増え、やりたい事に挑戦する機会が得られるというポジティブな側面もあります。
 仕事や子育てを終えた後の人生が30~40年続くと考えた場合、これまでの高齢期のマイナスイメージだけにとらわれず、人生の後半は「何にも制限されずに、思いっきり自由な時間を使える」と自分に言い聞かせ、ポジティブに行動することが重要です。
 例えば、外国語を学ぶにしても時間はたっぷりあるのですから、1日2時間でも3時間でも勉強することができます。そして、学んだその外国語を何のために使うか―。学生の頃は、試験で良い成績をとるために苦労した勉強も、歳をとってからする勉強は、「好きな海外ドラマを字幕なしで見るため」、「海外旅行をより一層楽しむため」、「訪日外国人にボランティア通訳をするため」など、すべて自分の楽しみや喜びのためにすることができるのです。これまでに忙しくてできなかった事に、誰に遠慮することもなく、思いっきり自分の時間を投入して下さい。


生きがいと健康長寿

超高齢社会へ突入し、人生100歳時代と言われることが特別なことではなくなった今、高齢者が人生の第2ステージを輝かせるため、また、心身ともにできるだけ健康な期間を長く維持するための重要な要素に「生きがい」があります。
 生きがいなどの心理的要因と長生きの関係を調べた長寿科学研究は数多くあります。米国と日本で実施された生きがいと死亡率や心血管疾患リスクなどの関係を7年以上にわたり追跡調査(平均年齢67歳、約13万6千人の男女が対象)した研究によると、生きがいを持っている人は、そうでない人に比べ死亡率が17%減少し、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクも17%減少することが明らかになったというデータもあります。
 この研究結果からも、生きがいを持ち人生をポジティブに捉えている人は健康で長生きする傾向があることを示していますが、どのようなメカニズムがあるのでしょうか。生きがいを持っている人は、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが低く、ストレスの負の影響に対して脳を保護しているという研究結果も報告されています。その結果、うつや認知症の発症リスクを低減できると考えられています。また、楽しみや生きがいがあると、活動量も自然と増え、身体的な健康面にも良い影響があります。
 このようなことから、特に高齢期では、生きがいを持ちながら日々の生活を送ることが健康長寿の獲得のためには必要になります。


Dr.池田義雄 健康長寿のための肥満・糖尿病セルフコントロール 健康ダイヤルとは 無料プレゼント 主な生活習慣病 予防・改善 リンク集